2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18651055
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中別府 修 Meiji University, 理工学部, 准教授 (50227873)
|
Keywords | MEMS / 代謝熱 / 薄膜熱センサ / 細胞 / 高感度計測 / 恒温槽 |
Research Abstract |
本研究は,MEMS技術,高精度温度・熱量計測技術を駆使し,10pWレベルの極微量熱量計測技術を開発し,液中の単一または少数細胞の代謝活性や各種刺激に対する熱応答のモニタ,計測技術の開発を目的としている.この代謝熱計測技術により,細胞の活動状況,化学物質や薬剤等に対する細胞の応答がその活動範囲内で速やかに,定量的に計測可能となることが期待される。平成19年度には,ガラス基板上に微細加工プロセスで形成した薄膜サーモパイルセンサと,能動的に温度制御系を組み込んだ多層恒温槽を制作し,酵母菌を試料とした代謝熱計測実験を実施した。結果として,10,000個以上の酵母菌の増殖曲線が明確に得られ,ノイズレベルは酵母菌3000個の代謝熱と同レベルであることが計測された.細胞10,000個の代謝熱計測は,従来のバイオカロリメトリと比べ,3桁程度少ない対象の細胞数である。 また,代謝熱を感度良く計測するには,試料セルをガラス基板サーモパイル上に設置し,試料セルから周囲への熱伝達を抑制するために,気体層を形成しておくことが有効であることが示された. さらに,対象試料として酵母菌以外にも,ブラインシュリンプ等の微生物の艀化や種子の発芽等も代謝熱計測の代謝とすることを試み,モニタ可能性に関する知見を得た。
|
Research Products
(2 results)