2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18651062
|
Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50011010)
|
Keywords | 希土類ナノ磁石 / SmCo系磁石 / 合金ナノ粒子 / 磁気記録 / ポリオール法 / PVP / 保磁力 / SQUID |
Research Abstract |
金属ナノ粒子はこれまで、主に触媒機能の研究が数多く報告されてきたが、最近、次々世代の磁気記録材料としてFePt金属ナノ粒子が大きな注目を集めている。しかし、バルクで最も磁性の強い永久磁石は、希土類磁石である。そこで、我々のこれまでの金属ナノ粒子合成の経験を生かして、希土類ナノ磁石を合成することを目標とした。本申請研究では、室温強磁性永久磁石の中で最も強力で、一般に広く用いられているサマリウム-コバルト系磁石のナノ粒子化を達成し、室温強磁石を示す希土類ナノ磁石の創製することを具体的目標とした。 1)既に平成18年度の研究でサマリウム-コバルト系ナノ磁石として、SmCo_5の組成で直径33nm、室温保磁力1,1000eのものを得ている。平成19年度はまず、混ざりもののない純粋なSmCo_5粒子で、10nm以下の粒径のものの合成を目指した。出発原料は出来るだけ安価で安全で入手しやすいものとして、昨年度に引き続きSm(acac)_3とCo(acac)_3を用い、還元剤としては、強力な還元剤として知られるNaBH_4の他に、テトラエチレングリコールを用いて高温で加熱して分解・還元する系を検討した。また、保護剤としては、高分子では、ポリビニルピロリドン(PVP)を、低分子では、トリブチルホスフィン、およびオレイン酸-オレイルアミン系などを検討した。その結果、テトラエチレングリコールを用いてオレイン酸-オレイルアミンを保護剤とし280℃で加熱することにより、バルクのSmCo_5と同じ結晶構造の平均粒径7nmのナノ粒子を得ることに成功した。 2)このようにして得られたSmCo_5ナノ粒子の保磁力をSQUIDを用いて測定したところ、室温で1500 Oeを持ち、3000 Oeの目標値には届かなかったが、高密度磁気記録材料として実用化の可能性が十分にあるものであることがわかった。 3)さらにSmCo_5ナノ粒子合成の際に、Auを添加したところ、Sm/Coの仕込み比が1/5のままでSmCo_5ナノ粒子が安定に得られ、この保磁力も1500 Oeを示すことが明らかになった。
|
Research Products
(5 results)