2006 Fiscal Year Annual Research Report
同位体ナノ薄膜作製による高精度なドーピング手法の開発
Project/Area Number |
18651063
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山本 博之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30354822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 憲司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50210357)
大場 弘則 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354817)
山田 洋一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (20435598)
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Keywords | ナノ材料 / 量子ビーム / 同位体 / ドーピング / 核変換 |
Research Abstract |
^<30>Siは中性子照射に伴う核変換によりPを生成することから同位体を優れたドーパントとして機能させることが可能である。同時にこれらの素材を数nm程度まで薄膜化し、急峻な界面を作製すればナノ領域における電気特性の制御が期待される。本年度は^<30>Si同位体濃縮薄膜の作製およびその評価に重点を置いて研究を進め、以下の結果を得た。 当機構の同位体分離技術により得られた^<30>Si濃縮SiF_4ガス(濃縮度6〜30%)を用い、化学気相蒸着法(CVD)によりH_2と反応させ^<30>Si濃縮薄膜を作製した。Si(100)基板上に成膜後、透過型電子顕微鏡(TEM)により膜断面の観察を行った結果、全体に50nm程度の均一な膜厚で、かつSi基板との界面が極めて急峻なものが得られたことを明らかにした。薄膜は多くの場合非晶質となった。さらに二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて薄膜の同位体比を評価した結果、^<30>Si濃縮度6〜25%程度であることを明らかにした。同位体比の比較的高い原料を用いた際に若干成膜後の濃縮度が低くなる傾向が見られたが、これは原料ガスラインの改良等により改善するものと期待される。また、原料ガスに含まれることから膜中に不純物として混入する恐れの高いFについては、CVDに供給するH_2/SiF_4比を10以上とすることによって1%程度以下に抑えることができた。 これと同時に中性子照射による電気特性の変化を評価するため、測定の困難な薄膜や高抵抗Siの電極を作製し、I-V特性測定等に関する検討を進めている。
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Research Products
(5 results)