2007 Fiscal Year Annual Research Report
同位体ナノ薄膜作製による高精度なドーピング手法の開発
Project/Area Number |
18651063
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山本 博之 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30354822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 憲司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50210357)
大場 弘則 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354817)
山田 洋一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (20435598)
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Keywords | ナノ材料 / 量子ビーム / 同位体 / ドーピング / 核変換 |
Research Abstract |
^<30>Siは中性子照射に伴う核変換によりPを生成することから同位体を優れたドーパントとして機能させることが可能である。同時にこれらの素材を数nm程度まで薄膜化し、急峻な界面を作製すればナノ領域における電気特性の制御が期待される。本年度は化学気相蒸着法(CVD)により得られた^<30>Si同位体濃縮薄膜および^<28>Si単結晶薄膜等に中性子を照射し、電気特性にどのような変化が現れるかを評価することに重点を置いて研究を進め、以下の結果を得た。 ^<30>Si同位体濃縮薄膜に対する中性子照射後の結果では、照射量の増加にかかわらず高い抵抗値を示したままほとんど変化が見られなかった。ICP-MSの結果からはPの生成が認められていることから、得られた結果はドーパントが充分機能せず、薄膜に含まれる不純物や結晶性の作用が大きいことを示すものと考えられる。一方、^<28>Si単結晶薄膜に中性子照射を行った場合については一定の抵抗変化がみられた。しかしながら同時に中性子照射による欠陥生成と考えられる影響が現れ、ドーピング効果との差異が明瞭ではない場合が多かった。また、同時に進めていた数十nmオーダーの高抵抗薄膜の計測については、広がり抵抗測定法を応用し500MΩ程度までの抵抗測定を20nm以下の分解能で評価することを可能とした。さらに、昨年度行ったハロゲン化ケイ素を用いた同位体シリコンの濃縮薄膜作製に関する成果を元に特許を申請した。(特願2007-149102)今後、薄膜の不純物除去および結晶性向上等を行い、ドーピング効果の検証を試みる。
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Research Products
(15 results)