2006 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子の超異方性電析による細胞インターフェースの構築
Project/Area Number |
18651070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (20273592)
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Keywords | 細胞培養 / バイオアッセイ / 細胞接着 / バイオエレクトロニクス / 導電性高分子 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,導電性高分子による機能的配線をマイクロパターニングする技術の開発であり,申請者が別途開発した細胞パターニング技術と組み合わせることで,細胞ネットワークへの情報の入出力機構を搭載した新しいバイオアッセイ,さらには細胞デバイスを実現する足掛かりを得るのが最終目的である。 本年度は,導電性高分子ポリピロールが微小電極に析出する際,その周辺の絶縁物表面にアルキルシランの自己組織化膜を形成させておくことによって,析出する膜の基板面に沿った成長が促進され,自己組織化膜と融合するために,密着性が大きく向上することを明らかにした。これは,培養液中もしくは体内で長期間安定に動作しうる神経デバイスを実現するために重要な成果である。 さらに,上記と同様の効果をヘパリンの吸着層にも見出した。すなわち,静電的に固定されたヘパリンがポリピロールの側方成長を促進する効果を有することを明らかにした。申請者はすでに,独自に開発した電気化学バイオリソグラフィーによってヘパリンが容易に脱着できることを明らかにしている。この方法は細胞傷害性が低いため,細胞が存在する状況でも,細胞の周囲のヘパリンを除去できる技術である。すなわち,今回見出したポリピロール析出に与えるヘパリンの効果と,電気化学バイオリソグラフィーによる低侵襲表面改質を組み合わせることで,当初の目的である,細胞に対するその場配線,が可能になる可能性が出てきた。平成19年度はこの可能性を追求する。
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