2007 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子の超異方性電析による細胞インターフェースの構築
Project/Area Number |
18651070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20273592)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,導電性高分子による機能的配線をマイクロパターニングする技術の開発である.これを,申請者が別途開発した細胞パターニング技術と組み合わせることで,細胞ネットワークへの情報の入出力機構を搭載した新しいバイオアッセイ,さらには細胞デバイスの実現を目指した.導電性高分子による配線の形成には,申請者が以前に開発した「超異方性電析法」を基盤とし,これを改良して取り組んだ.その結果,ガラス表面に静電的に吸着させたヘパリンによって,ポリピロールの側方成長が顕著に促進される事がわかった。そして,電気化学バイオリソグラフィー法によってヘパリンを除去することによって,電極から成長するポリピロールパターンの形状をその場で描画できる事が明らかとなった。一方,細胞が存在する状況で重合が行なえるか否かに関しても検討を進めた。ピロールモノマーの細胞傷害性は実質上問題となら無い程度に低い事がわかり,重合反応の影響に関しても,緩衝液の濃度を高める事によって低減できた。以上の知見を組み合わせて,培養細胞への導電性高分子による「その場配線」の実施に成功した。さらに,導電性高分子薄膜の表面に生化学的な機能を付与するための技術も合わせて開発した。ポリアクリル酸をドーパントに用いる事で表面にカルボキシル基を提示し,アミド結合によって各種サイトカインの固定を試みた。神経成長因子を固定した高分子膜上では,PC12神経様細胞の軸策伸長が顕著に増進され,本法の有効性が示された。
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