2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18651071
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
丸尾 昭二 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (00314047)
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Keywords | マイクロ光造形法 / マイクロマシン / 光ピンセット / マイクロポンプ / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究では、表面プラズモンによってナノブレードを回転させて液体を輸送する「表面プラズモン・ナノポンプ」の開発を目指している。本年度は、以下の項目について研究を行った。 (1)2光子マイクロ光造形によるマイクロ回転素子の作製 表面プラズモンを励起するには、高屈折率のプリズムを利用する必要がある。そこで、高屈折率ガラスを用いたスライドガラスおよびプリズムを作製し、高屈折率スライドガラス上に高精度にマイクロ回転素子を造形する手法を確立した。実際に、光硬化性樹脂を用いて直径50μm程度のマイクロ回転素子を作製した。 (2)エバネッセント波とマイクロ回転素子の相互作用の解析 表面プラズモン・ナノポンプの構築に向けて、まず全反射によって生じるエバネッセント波によってマイクロブレードが回転する光回転トルクを算出した。計算には、有限差分時間領域法に基づく自作プログラムを用いた。このプログラムを用いて、ロータの厚みや幅、ブレード角度による光回転トルクの依存性を評価し、最適な形状を決定した。 (3)エバネッセント波とマイクロ回転素子の回転駆動 2光子マイクロ光造形によって作製したマイクロ回転素子をエバネッセント波によって回転駆動させる実験を行った。その結果、直径60μmのロータを用いて約2rpmで回転駆動させることに成功した。さらに、2つのロータを同時回転させること、および2つのロータの噛み合い駆動に成功した。このような複数素子の同時駆動はエバネッセント波による回転の特長である。今後、表面プラズモンを利用することによって、より高速回転で多数の素子を同時駆動できると考えている。
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Research Products
(7 results)