2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ加工された自律振動ゲルを使った大域コンピューティング
Project/Area Number |
18651073
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上田 正則 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤ナノ医工学研究室, 協力研究員 (80415091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 亮 東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80256495)
|
Keywords | ゲル / 微細加工 / BZ反応 |
Research Abstract |
BZ反応を触媒する金属錯体と温度反応性高分子の共重合体からなる自律振動性ゲルを微細加工し、反応のネットワークを幾何学的に構築することを試みた。また、反応の開始位置を決めるため、微小電極を作製し、反応ネットワークの決まった位置からトリガー波が発生する構造をネットワークに組み込む試みを行った。 ゲルの微細加工は、PDMSなどの鋳型を作製し、その鋳型とガラスプレートの隙間にプレゲル溶液を注入して光照射でゲル化させることにより、鋳型の構造を反映したゲルネットワークを作製した。金属電極の微細加工としては、BZ反応のトリガーとなる銀線を物理研磨することによって、100μ程度の径を持つ電極を作製した。 上記方法で作製したゲルピースのサイズと形状によって、BZ笈応の伝播等がどのような影響を受けるのか、実現可能なゲルネットワークのサイズと形状はどうなのかについて実験を行った。 ゲルの厚さは、シート状の均質なゲルであっても、200μm以下では、BZ反応は起こらなかった。また、ストライプ状のゲルの幅も200μm程度のサイズ以下では、反応が起こらなかった。これらの現象は、金属触媒を含むゲルがBZ溶液の浸透によって生成する反応中間物の濃度が、反応による生成とゲルから外部溶液への拡散で決まることに起因する。ゲル厚や幅が薄いと反応中間物の拡散が支配的になり、振動の起こる濃渡にまで達しないためと考えられる。 以上のことから、ゲル厚や幅を200μm以上に加工したネットワークのみが実現可能であることがわかった。
|
Research Products
(2 results)