2006 Fiscal Year Annual Research Report
選挙制度デザインを支援する最適化手法を基盤とした新しい定量化分析手法の構築
Project/Area Number |
18651079
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
根本 俊男 文教大学, 情報学部, 助教授 (40286026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 敬介 文教大学, 情報学部, 助教授 (80327022)
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Keywords | 選挙制度 / 区割 / 組合せ最適化 / 小選挙区制 / 定数配分 / 数理計画 |
Research Abstract |
本研究では,選挙制度に関する定量化手法の開発・提供により,選挙制度設計(デザイン)の仕組みを構築することが大きな目的であり,具体的には,以下の3つの目標に向け研究中である. 目標(1)小選挙区制度デザインに必要な数理モデルの整備 目標(2)必要な数理モデルをツールとして実現する解法の構築と提供 目標(3)様々なレベルでの選挙制度デザインの議論を的確にサポートする仕組みの構築 平成18年度と平成19年度前半の一部で,衆議院小選挙区制に関して目的(1)と目的(2)の達成をめざしているが,今年度は主に以下の研究活動の実施,及び結果を得た. 【1】『小選挙区制度デザインに必要な数理モデルの整備』について ●小選挙区制を,定数配分と区割画定の部分に分離できる部分と同時に考慮すべき部分に分けモデル化に取り組んだ.そのモデルの妥当性について政治学分野の観点からの議論を日本選挙学会や応用数理部会数理政治部会などで行った. 【2】『必要な数理モデルをツールとして実現する解法の構築と提供』について ●平成の大合併により行政区に変化が生じているが,一票の重みの格差に対する人口流動の影響と行政界の影響を分離し計測する手法を提案し,さらに実際にその手法を実現し,その分離計測に初めて成功した. ●モデル化やアプローチの工夫では避けられない規模の大きな問題に対する解法の実現に向け最適化分野研究者との議論を進めた. これらの取り組みの結果の一部は,ISMPなどの国際学会にて,また,日本選挙学会,日本OR学会などの国内の学会にて口頭発表により公表された.
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