2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18651094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90201326)
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Keywords | 代謝物 / Sアデノシルメチオニン / 蛍光レポーター / 遺伝子回路 / ポジティブフィードバック |
Research Abstract |
S-adenosylmethionine(SAM)は生体分子への主要なメチル基供与体であり、非常に多くの代謝経路に関与する重要な代謝物である。SAMの動態解析から、代謝調節や細胞周期等の動態をより深く理解するための重要な基礎的知見が得られるど期待されている。食品・醸造産業ではSAMの高生産が重要な課題とされており、その動態解析には応用面からの要望も高い。しかし、SAMは不安定な化合物であり、分析化学的手法による計測が困難である。計測できたとしても細胞の破砕を伴うことから連続的にリアルタイムで計測するまでには至っていない。そこで非破壊的計測が可能なシステムの構築を試みた。 SAMセンサー部分としてはSAMをコリプレッサーとする大腸菌のDNA結合蛋白質MetJを利用し、MetJにVP16転写活性化ドメインおよび蛍光蛋白質Venusを連結したセンサーレポーター分子をデザインし、この遺伝子をmetオペレーターの下流に挿入した。細胞内SAM濃度が上昇すると、このセンサーレポーターにSAMが結合し、metオペレーターへの親和性が増大する。その結果、自身をコードする遺伝子の発現を上昇させるというポジティブフィードバックが作用する。このフィードバックの作用は Venusの蛍光強度変化として検出することができる。この蛍光を測定することにより細胞内SAM濃度の動態を追跡できる。この系で、実際に培地中Met濃度変化や代謝経路の変異による細胞内SAMの変化の検出に成功した。
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Research Products
(1 results)