2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜コレステロール組成を感知する蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
18651102
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
竹内 利行 Gunma University, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠塚 和夫 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20206105)
|
Keywords | コレステロール / ピレン / ダンシル / 発光プローブ / エキシマー効果 / ペリレン |
Research Abstract |
本研究では,細胞内のコレステロール動態を追跡する蛍光プローブを開発し,コレステロールの機能を可視化して評価する目的で以下の課題を設定した。 課題1)生体膜トラップ型プローブの開発 課題2)酸性環境でエキシマー効果を出す生体膜通過型プローブの開発 課題3)生体膜でリン脂質とコレステロールの会合と解離を測定するプローブの開発 コレステロール本来の性質を保持したプローブとして,dansyl基の付加位置が異なる3種類のdansyl-cholesterolと,ケイ素導入,非導入2種類のpyrene-cholesterolを作成した(特願2007-075414)。Dansyl-cholesterolは親水-疎水環境に応じて蛍光スペクトルが変化し,膜コレステロール含量が少ないと長波長(緑)に,多いと短波長(青)にシフトするので蛍光発色から膜コレステロール含量を推測できることを確認した(特願2007-110515)。更にdansyl-cholesterol(20)は活性化マクロファージで生ずる脂肪滴に輸送されるが,小胞体ERに局在するエステル化酵素ACATのインヒビターSandoz58-035存在下ではその脂肪滴輸送が阻害され,ERに留まる像として観察できた。また,ケイ素を結合させたSi-pyrene-cholesterolは非Si型pyrene-cholesterolに比べて蛍光強度が3倍近く増強した(特願2007-075377)。Pyrene付加コレステロールとpyrene付加リン脂質は会合するとエキシマー効果を呈し,発光波長が長波長側にシフトした。更に,pyreneと同族のperyleneを付加したコレステロールプローブを作成し,このプローブでマクロファージを標識すると,細胞はSi-pyrene-cholesterolよりもさらに強く発光した(特許出願中)。
|
Research Products
(8 results)