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2006 Fiscal Year Annual Research Report

多次元定量計測技術を用いた絶滅危惧種イトウの行動生態の解明

Research Project

Project/Area Number 18651110
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

宮下 和士  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教授 (70301877)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 帰山 雅秀  北海道大学, 大学院水産科学研究院, 教授 (80305937)
田中 秀二  北海道大学, 大学院理学研究院, 博士研究員 (40374201)
Keywordsイトウ / 絶滅危惧種 / 移動生態 / 行動計測 / 保全 / 音響テレメトリー
Research Abstract

本研究では,イトウの生息範囲を正確にとらえ,そのデータを活用した生態学的なアプローチにより,本種の行動メカニズムを明らかにし,将来的な保護や周辺環境の保全に寄与する情報を得ることを目的とし,バイオテレメトリー手法を用いてイトウの正確な位置・時間とその移動の情報を収集・蓄積した.
調査地は厚岸郡厚岸町の別寒辺牛湿原を流れる別寒辺牛川で,調査は平成18年4月24日から平成18年12月6日まで行われた.イトウの捕獲は網・釣りにより行い,捕獲した2個体に麻酔を施し,超音波発信器(発信間隔40秒〜90秒)を装着した.超音波受信機を河川内の定点(間隔約2km〜5km)に設置し,並行してカヌーの舷側に取り付け,GPSで位置情報を取得しながら河川内を移動した.
設置受信機の受信は,主に下流域の広い範囲で頻発した.また,カヌー受信の結果からは中流域にも散在的にイトウが生息することが確認された.これらの結果から別寒辺牛川イトウ生息域は流域の広範にわたり,下流域では本種が数キロレベルでの移動を行っていること,中流域では受信機の設置間隔よりも狭い範囲で活動していることが示唆された.
下流域でのイトウの行動は,河口の潮汐タイミングおよび潮位との間に対応がみられた.また,受信記録は夜間(21時から翌6時)に集中していた.したがって,本種は知見どおり夜行性であることが確認される一方,今回の発見により潮汐と移動行動との潜在的な関係が示唆された.
平成18年度は個体レベルの行動に注目することで,詳細情報を得ることができたが,サンプル数が少なく,移動生態の解明に至らなかった.したがって平成19年度は,装着個体数を増やし,より多くの個体の行動モニタリングを試みる予定である.

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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