2006 Fiscal Year Annual Research Report
仏教美術のトポロジー-仏像のいる土地とその意味に関する基礎的考察
Project/Area Number |
18652011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長岡 龍作 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (70189108)
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Keywords | 仏像 / 天王寺 / 平安京 / 国分寺 / 街道 / 東山道 / 東海道 / GPS |
Research Abstract |
今年度は、研究計画に沿い以下の各項目について調査研究を遂行した。 1.現地調査 (1)宮城県岩出山天王寺の立地と景観ならびに福島市天王寺と周辺寺院の調査し、中世-近世の聖徳太子信仰と場の関係に着想を得た。 (2)近江・山城境界(逢坂の関)周辺の寺院・神社を調査し、古代・中世・近世の街道と霊場の関係について着想を得た。 (3)美濃国府・国分寺周辺の寺院分布と景観を調査し、古代美濃の場の意味について着想を得た。 (4)古代の街道と神仏の立地 ・古代東山道を主に宮城県内において踏査し、駅家と寺院・神社の立地の相関性を調査した。 ・東日本東海道は日本橋から小田原までの各宿を踏査し、古代寺院・神社が近世に霊場化する様相を調査した。 ・西日本東海道は、京から草津宿までを踏査し、上記と同様の調査をおこなった。 2.GPSを用いたデータ収集 GPSを活用して、本研究の対象地点を測位する調査を開始した。 3.1の調査を通して、古代の街道と寺院・神社の立地には有機的な関係があることが見出されてきた。これは、巡礼という行為と深く関わると考えられる。地域の特性として、美濃地方が古代天皇の行幸の地として特殊な意味を有していることに注目した。また、東海道の霊場については、特に近世に多数出版される図絵と景観の関係に注目する必要が見出された。今後は現地調査・資料調査を継続するとともに、本研究の観点をより高い精度をもって検証してゆく必要が想定された。2のGPSによる測位はそのための有効な手段と考えている。
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Research Products
(2 results)