2007 Fiscal Year Annual Research Report
仏教美術のトポロジー-仏像のいる土地とその意味に関する基礎的考察
Project/Area Number |
18652011
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長岡 龍作 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (70189108)
|
Keywords | 宗教表象 / 舎利塔 / 舎利荘厳 / 景観 / 経塚 / 肖像彫刻 / 絵巻 / 景観表現 |
Research Abstract |
今年度は、以下の各点について調査研究を遂行した。 1.現地調査:(1)中国の舎利塔の立地条件を以下の各所で調査した。〔河北省〕曲陽・修徳寺塔、定州(開元寺塔・浄衆院・静志寺地宮)、正定(天寧寺木塔、龍興寺、龍蔵寺址、開元寺塔)、〔山東省〕青州(逢山県勝福寺址)。また、寺所と景観の関わりを以下の事例に則して確認した。〔山西省〕五台山(顕通寺・菩薩頂・塔院寺)、〔河北省〕曲陽・修徳寺址・北嶽廟。 (2)山形・置賜地方を対象に、古代置賜郡衙をめぐる宗教的トポスについて調査した。 (3)経塚の所在地は平安〜鎌倉時代の他界観に基づく表象景観を示すとの見通しから、以下の各経塚の立地条件を調査した。田束山経塚(宮城・歌津町)、大森山経塚(山形市)、天王寺経塚(福島市)、薬師山経塚(伊達市月舘町)、米山寺経塚(須賀川市)。 (4)近世武家の初祖を神格化する装置としての機能を担う肖像彫刻は、安置場所にも重要な意味があるとの見通しから、その所在地ならびに墓所の現地調査をおこなった。調査地は以下の通り。京都・高台寺、豊国廟、日光・東照宮、東京・増上寺、芝東照宮、米沢・上杉神社、上杉廟、仙台・瑞鳳殿。 2.仏教美術においてトポスが果たす機能をより明確化するため、画像資料中の景観の宗教的な意味について分析を加えた。対象は、信貴山縁起絵巻、粉河寺縁起絵巻、石山寺縁起絵巻、慕帰絵、法然上人絵伝、一遍聖絵。 3.本研究の成果を、次頁掲載以外では次の場で発表した。平泉文化史講座(平泉郷土館、2007年11月10日)、有備館講座(岩出山・スコーレハウス、2008年1月19日)
|
Research Products
(2 results)