2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18652012
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長田 年弘 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (10294472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠塚 千恵子 東北芸術工科大学, 芸術学部, 教授 (80279801)
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Keywords | 古代ギリシア / 古代史 / 美術史 / 陶器画 / 女性史 / 墓碑 / 死生観 / 神話 |
Research Abstract |
古代ギリシア美術において神殿建築などの公共建築に代表される公的領域の図像研究は、すでに数多く行われているのに対し、家族の表現、家庭での男性、女性のイメージ、誕生から死までのライフサイクルなどを含む私的領域の図像は、近年になって注目され始めた分野である。本研究は古代ギリシアの造形美術における私的領域の総合的研究を目指し、まずその基礎として、彫像や浮彫墓碑や奉納碑や陶器画そのほかの工芸品にみられる家族表現の視覚イメージを収集・分析した。研究テーマはそれぞれ、古代ギリシア美術への社会史的アプローチ、女性イメージの分析、生と死の問題、墓碑の様式研究などを中心とした。 研究組織は、代表として長田年弘、研究分担者として篠塚千恵子の他に、研究協力者として、中村るい(放送大学客員助教授)、田中咲子(名古屋ボストン美術館学芸員)を迎えた。 年間を通じて定例の研究集会を開催し、研究経過に関して討議を重ねた。第1回7月1日(長田発表「クーロス、コレー像の解釈」)、第2回10月14日(田中発表「古代ギリシアの運動選手の墓碑について」)、第3回12月2日(中村発表「古代ギリシアの死生観とディオニュソス信仰」)、第4回1月25日(ゲストスピーカーとして、J.Neils教授(クリーヴランド大学)による発表「古典期アテナイ美術に表現されたスパルタ少女の図像」)。場所に関しては、第1〜3回は早稲田大学文学部36号館を、第4回は筑波大学芸術学系棟を使用した。 J.Neils教授からは研究テーマに関して専門的助言を得た。具体的には、スパルタとアテナイの政治的関係と私的領域の図像がどのように関連するかを討議し、研究課題と方法論上の問題点を分析した。
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Research Products
(3 results)