2006 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚・視覚障害学生の言語認知能力を利用したバリアフリー英語教育教材の開発
Project/Area Number |
18652064
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
斉藤 くるみ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (30225700)
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Keywords | 英語教育 / 言語認知能力 / 言語発達 / 聴覚障害 / 視覚障害 / 自習ソフト |
Research Abstract |
聴覚障害学生と視覚障害学生の英語習得の困難な点を調査した。聴覚障害学生については語学の授業を受講させながらモニターになってもらい、ノートテーカーにもモニターになってもらった。そしてすべてのノートを分析した。正確な発音は認知できなくても音の流れにそって英語を理解している聴覚障害学生もおり、そのような学生には音があったほうがよいが、基本的には音なしで英単語。文法をマスターできるようにする必要がある。また聞き取りの苦手な健聴の学生について文字に重きをおいて単語や文法を習得することは有効である。視覚障害学生についてもスカイプなどを利用した英語の自習を含め、モニターになってもらった。テキストが点訳されないこと、音声変換ソフトが不十分であること、音声だけでは全体を見渡せないのでキーワードがさがせないこと、また映画やテレビ等生きた英語教材を使った場合はテキストや英語字幕は読めないので自分のレペルでほぼ聞き取れるものでないと使えないこと、せりふは両面の状況が見えなければわからない表現が多すぎることがわかった。また教材を点字にしたものは膨大な量になってしまうことも間題である。 一方で聴覚障害・視覚障害を持つ学生の音声言語認知・文字認知等をふまえた教材を作成するために、聴覚障害・視覚障害を持つ子どもの言語発達について研究した。特に聴覚障害者の場合、手話で育ったか、口話で育ったかで言語発達が大きく違う。これらの両方に対応できる英語教育教材を作ることを目標とするとともに、手話教育を取り入れる必要がある。(これらは「乳幼児の言語発達とろう児の手話教育」に発表した。)視覚障害についても先天性の全盲の学生とそれ以外の視覚障害学生ではかなり違うし、また点字を学びながら言語習得した学生と音声教材のみで言語習得をしてきた学生でかなり違うと考えられ、この点は今後研究する。
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Research Products
(1 results)