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2006 Fiscal Year Annual Research Report

建国神話と考古資料から見る黎明期の古代マケドニア王国に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18652071
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

澤田 典子  静岡大学, 人文学部, 助教授 (50311650)

Keywordsマケドニア / ギリシア / 建国神話 / 考古資料 / ヘロドトス / ヘラクレス / アイガイ
Research Abstract

今年度は、黎明期(前7世紀半ば〜前5世紀)の古代マケドニア王国史を、断片的な文献史料と近年の考古資料との整合性の検証を軸として解明するという研究目的のため、まずは、本研究のための第一の材料となる神話的な建国伝承について検討を進めるという課題に取り組んだ。前5世紀以降のギリシアやローマの史料(ヘロドトス、トゥキュディデス、エウリピデス、ディオドロス、ユスティヌス等)において種々のバージョンで語られているマケドニア王国の建国神話に関して、歴史学的および文献学的な先行研究を整理・検討した。とりわけ、ヘロドトスの伝える建国神話に着目し、その建国神話はどのような意味を持ったのか、神話形成の背景はいかなるものであったのか、そしてその後の建国神話の展開から何が読み取れるのかということを主眼に考察した。こうした考察によって、前6世紀末から前5世紀にかけてのマケドニア王家による建国神話の形成過程を跡づけることを試み、王家は自らがギリシア神話の英雄ヘラクレスの系譜に連なることをギリシア世界に向けて積極的に喧伝し、それがその後のマケドニア王家の「伝統」となっていったことを明らかにした。また、前7世紀半ばの建国から前5世紀末まで王国の首都であったアイガイ(=ヴェルギナ)をはじめとする、マケドニア王国の遺跡についての近年の考古学的成果の整理も開始した。本研究のための第二の材料となるこれらの考古資料の整理・検討をさらに進めたうえで、建国神話から拾い出せる史実のかけらを読み取っていくとともに、建国神話と考古資料をつきあわせて整合性を検証することが、今後の課題となる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 回顧と展望 : 古代ギリシア2006

    • Author(s)
      澤田典子
    • Journal Title

      史学雑誌 115-5

      Pages: 310-314

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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