2006 Fiscal Year Annual Research Report
インド・イスラーム世界における「聖遺物」信仰の詩学と政治学
Project/Area Number |
18652078
|
Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
小牧 幸代 高崎経済大学, 地域政策学部, 講師 (20303901)
|
Keywords | 文化人類学 / イスラーム / 聖遺物 / 南アジア / 預言者 / インド / パキスタン / バングラデシュ |
Research Abstract |
平成18年度は、これまでにインド・パキスタンを中心として収集してきたイスラームの「聖遺物」に関する情報と文献・資史料の整理をおこなうと同時に、それらのデータベース化を試みた。また、新しい情報と文献・資史料の収集のために、関連図書を購入するとともに、国内他大学の附属図書館等で文献調査をおこなった。この過程で、インド・パキスタンで流通している「聖遺物」の護符・御守の図柄が、トルコのトプカプ宮殿宝物殿所蔵の「聖遺物」を手本としているらしいことが分かってきた。そのため、9月上旬にイスタンブールに出張し、トプカプ宮殿宝物殿の「聖遺物」を拝観するとともに、巡礼者・観光客に対して聞き取り調査をおこなった。巡礼者・観光客のなかにはインド人・パキスタン人のムスリムの家族やグループがおり、非常に有益な情報を得ることができた。「聖遺物」信仰および「聖遺物」を象った護符・御守に関する事例の現時点での研究成果は、6月にアンマンで開催された第2回世界中東研究会議(Second World Congress for Middle Eastern Studies)で口頭発表(Pohtics, Poetics and Pop in the Succession of Holy Relics : Examples from South Asian Muslim Society.)をするとともに、日本オリエント学会の英文雑誌Orient誌上で公開した(Pohtics, Poetics and Pop in the Succession of Holy Relics:Examples from South Asian Muslim Society. Orient Vol.XLII2007.pp.71-93)。
|