2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18652080
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
吉田 竹也 Nanzan University, 人文学部, 准教授 (10308926)
|
Keywords | 再帰性 / 人類学 / 観光 / 社会学 / バリ島 / 与論島 / 久米島 / 宮古島 |
Research Abstract |
本研究は、(1)理論面での研究、(2)民族誌的データの収集と分析、(3)(1)と(2)の総合、からなり、平成19年度は、研究の掘り下げを目指す年度と位置づけた。 (1)に関しては、おもに再帰性や自己言及性に関する理論的研究を整理する作業を行った。結果的に、社会学におけるこれらの理論研究をただちに観光人類学に結びつけることが困難であるとの暫定的な結論に達した。次年度は、この論点について、別種の理論研究の検討作業に着手するなどして、この作業の根本的な見直しをしなくてはいけない。 (2)については、国外ではバリ島において、国内では沖縄において、それぞれ2週間強の資料収集作業を行った。バリでは、これまでインタヴューする機会がなかった長期滞在者にようやくインタヴューすることができた。また、観光地に長期滞在する日本人の観光関連ビジネスに関わらない生活の一面について、興味深い点を参与観察することができた。沖縄地域に関しては、文献研究を進め、理論研究やバリに関するデータの性格をかんがみて、集約的な調査研究をおこなう候補地を与論島と久米島と決め、夏季に宮古島と合わせてこれら3島において数日ずつの予備的調査をおこなった。まだ十分に相互のデータや議論の照合をおこなうまでには至っていないが、沖縄地方での本格的な調査研究に入ることはできたと考える。 次年度には、あらためてこれら国内・国外の島々での資料収集作業を継続するとともに、いよいよ(3)の作業を本格的に進めることにしたい。
|