2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本型法化社会における複合的リスク・マネジメント・システムの基礎理論
Project/Area Number |
18653001
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江口 厚仁 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 教授 (10223637)
|
Keywords | 日本型法化社会 / リスク・マネジメント / リスク・コミュニケーション / 社会システム理論 / 市民的リスク管理法 / 市民的公共性 / 科学倫理 / 専門家倫理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、内外の最新の研究動向を参照しつつ、「日本型法化社会」の動態に適合するリスク・マネジメント・システムの基礎理論を構築し、もって多種多様なリスク問題に対する法システムの応答可能性を構想・開拓することにある。 研究計画2年目(19年度)は、初年度から継続的に収集してきた内外の文献・資料・データの整理・分析作業に取り組んだ。具体的には、海外の基礎理論系の研究図書、及び「市民的リスク管理法」の実態を示す内外の図書資料を中心に関連文献を収集し、それらを翻訳・要約・分類・整理して、現代社会のリスク・マネジメント問題の全体像を俯瞰する概念装置/理論相関図の構築に向けて研究を進めている。また、テキストデータに加え、音声・画像データをもPC上で集約・管理する環境を整備し、より効率的なデータ検索・利用に資するデータベース構築の可能性についても引き続き検討を進めている。 リスク・マネジメントを、リスク・コミュニケーションの問題として分析するシステム論的リスク理論にとっては、現代社会の公共性やセキュリティをめぐる議論状況、あるいは専門家/市民の行動指針・責任倫理をめぐるコミュニケーション状況全般を問い直すことが重要な理論的前提となる。そのため、市民的公共性/安全性/専門家倫理などの再検討を主題とする研究会・セッションを定期的に開催し、本年度はその研究成果の中間報告となる論考を公表した。 以上のとおり、本研究の実施計画は着実に進捗している。
|
Research Products
(2 results)