2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
弥永 真生 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (60191144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 昇 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (10145352)
山田 雄二 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 准教授 (50344859)
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Keywords | 取得条項付株式 / 取得請求権付株式 / 拒否権付株式 / 株式の併合 / 株式の分割 |
Research Abstract |
第1に、取得条項付株式及び取得請求権付株式の評価手法としての、2項モデル、3項モデルとモンテカルロ・シュミレーションの適用可能性とその限界及び適用上の留意点について、平成18年度に引き続いて検討を加えた。新株予約権の公正な発行価額をめぐる裁判例をふまえつつ、会社法における取得条項付株式及び取得請求権付株式の評価手法を検討した。 第2に、剰余金配当及び残余財産の分配についての優先株式に取得条項あるいは取得請求権が付されることが実務上多いが、剰余金配当及び残余財産の分配についての優先株式を債券類似のものとして評価し、それにオプション価値を加減するという方法で、そのような種類の株式は評価することが一応理論的であるという結論に達した。これは、税法上の扱いとも整合的な部分を有すると考えられよう。しかし、普通株式に取得条項あるいは取得請求権が付されている場合に、どのように評価することが適当なのかは今後の課題である。 第3に、拒否権付株式が発行されている場合に、それ以外の株式をどのように評価すべきかについての検討を開始した。拒否権の行使要件がきわめて限定されている場合には、それ以外の株式について評価減を行うとしても、その大きさを適切に測定することは困難であると考えられるが、平成20年度には、この問題について、実務家へのインタビューを通じて、分析を深めることとしたい。 第4に、市場価格のない取得条項付株式あるいは取得請求付株式について、併合や分割が行われた場合の端数処理の問題があることが本年度の研究の過程で明らかになった。平成20年度において検討を加えることとしたい。
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