2007 Fiscal Year Annual Research Report
漁業協同組合の資源管理に関するルール・罰則の生成要因と効果の経済分析
Project/Area Number |
18653022
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
阿部 高樹 Fukushima University, 経済経営学類, 教授 (40231956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 彰 福島大学, 人間・発達文化学類, 教授 (20195712)
東田 啓作 横浜市立大学, 国際総合学部, 准教授 (10302308)
井上 健 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (80334001)
初澤 敏生 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10211476)
小山 良太 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (60400587)
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Keywords | 資源管理型漁業 / 漁協 / ホッキガイ / 経済分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、漁業協同組合とその内部組織による資源管理型漁業のルールと、それに付随して取り決められる罰則(操業停止、罰金など)の成功例や失敗例に関する調査を行い、それらの生成要因、生成過程、およびその効果を分析することであって、特に、ホッキガイ漁業における資源管理に焦点を当てている。ホッキガイは、定着性の磯根資源の代表例であり、「閉じた空間」での資源管理が可能である。数年に一度の割合で生じる稚貝の「卓越発生」の動向をつかみ、生態的には寿命が20年にわたるとされるホッキガイの計画的採取により、資源の有効利用と維持との両立を目指していくこととなる。 平成19年度は、資源管理型漁業を展開する、福島県3・北海道12の計15地区(漁協あるいはその支所)のヒアリング調査を行った。また、前年度に調査を実施した8地区の内容について、報告書3本をまとめるとともに、学会発表を行っている。 前年度における調査は、東北地区と北海道西部地区(胆振支庁)までであったが、今年度の調査により、その範囲を北海道東部地区(網走支庁・釧路支庁・根室支庁)にまで広げることができた。これらの調査により、前年度までの調査で既に明らかになってきた点をより強固に一般化するための有益な情報を得ることが出来た。一方、前年度までの調査では得られなかった新たな地域固有要因を発見できたことは、これまでの研究に新たな方向性を付加した。その1つが、所得配分政策の差異をもたらす要因を発見するという課題である。 対象魚種の主要漁場の中で未調査の地区を調査するとともに、得られた調査結果をもとに、総括を行うのが平成20年度の課題となる。資源管理方法に関わる重要な側面を理論的・統計的に抽出するとともに、経済学的な視点から、持続的な漁業に対する提言を行うことが最終的な目的となる。
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