2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18653026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永易 淳 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (30375422)
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Keywords | JASDAQ / 情報量 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は日本の証券取引所に上場されている企業に関するプライベート・インフォメーション量を企業別に推定することである。ファイナンス研究では過去十数年にわたり投資家が保有する情報が株式価格形成の重要な要因であると考え、特に一部の投資家しか保有しないプライベート・インフォメーションに多くの研究者は着目している。 本年度は日本最大の新興株式市場であるJASDAQ証券取引所に上場されているプライベート・インフォメーションを取引データが存在する2004年から2006年まで推定した。この期間、JASDAQは日本では例外的にマーケット制度という売買制度を導入している取引所であるため、推定方法の背景にある理論と一貫性がある。前年度同様、高頻度データ(ティック・データ)を用い推定した結果、他の新興市場(例、ヘラクレス)における平均プライベート・インフォメーション量と同レベルの数値を得ることができた。また、この数値はNY証券取引所のような比較的成熟した企業が上場しているプライベート・インフォメーション量より多少高いレベルであることが判明した。中小企業の一つの特徴として大株主が個人投資家である傾向があり、そのような取引所ではプライベート・インフォメーション量が多く存在すると考えられるため、個人投資家の重要性が高いヘラクレスやJASDAQ取引所の特徴がこの結果の原因であると考える。今年度の分析した研究結果は「多目的統計データバンク年報」に掲載された。
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Research Products
(1 results)