2007 Fiscal Year Annual Research Report
学術資源学の視点からみた戦後日本における社会調査の展開と継承
Project/Area Number |
18653040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 純輔 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (90018036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋永 雄一 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90212430)
片瀬 一男 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30161061)
木村 邦博 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80202042)
神林 博史 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20344640)
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Keywords | 学術資源学 / 社会調査 / 国勢調査 / デジタルファイル / データアーカイブ / 国民性調査 / 生活時間調査 / 青少年の性行動全国調査 |
Research Abstract |
戦後日本における優れた社会調査研究の継承と展開を目指すにあたり、各種の社会調査で実際に用いられた調査票やそれらの調査の結果として得られたデータをどのように保存・活用すればよいか、ということが大きな課題となる。そこで、本年度においては、データ・アーカイヴ活動が活発化しているヨーロッパ諸国、特にスイス(チューリッヒ工科大学)とドイツ(ケルン大学社会調査データ・アーカイヴ、マンハイム社会科学方法論研究所)に赴いて、研究分担者が官庁統計の二次分析によって行った研究に対してコメントを受けるとともに、両国で実際に社会調査データ・アーカイヴの作成、データ利用環境の整備、データ分析・研究などの活動に携わっている研究者・実務担当者に対して聴き取り調査を行い、これらの活動に関する英文・独文の資料を収集した。この聴き取り調査から、特にドイツにおいては、憲法(ドイツ連邦共和国基本法)を根拠として社会調査データ・アーカイヴの構築・運用に対して連邦政府・州政府から恒常的な予算が与えられていること、政府が実施しているものも含め社会調査によって得られたデータは「公共財」であるという理念が研究者に共有されていること、理論と方法とデータとを統合した形で社会科学を発展させるべきであるという方針が各研究機関において採用されていることなどが、データ・アーカイヴの作成・維持・利用を促進する上で重要な条件になっていることを知ることができた。この知見は、日本における学術資源学の発展を目指す上でも、大いに参考になるものである。
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Research Products
(3 results)