2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653048
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
前田 忠彦 The Institute of Statistical Mathematics, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
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Keywords | 社会統計学 / サンプリング / 層化二段無作為抽出 / 地点情報 / 階層的データ / 投票率 |
Research Abstract |
本研究では,層化二段無作為抽出で実施された社会調査データに対し,事後的に地点の特徴に関する新たな情報を変数として加えることにより得られる「階層構造を持つ調査データ」に対する統計解析法の有効性を検討することを目的とした。平成20年度研究でも,過去2年度同様,既存社会調査データに対する階層型分析の適用を試みたが,この部分では分析対象項目の範囲を十分に拡大できなかった。そこで本年度は,付加すべき側の地点変数に関する分析に研究の重点を移し,研究目的の一部である全国規模の社会調査における層化のあり方に関する再検討およびより二段抽出における地点間異質性についての検討を行うこととした。 利用したデータは,2004年と2007年に行われた参議院議員選挙の市区町村別得票数データベースから投票率・政党得票率等の指標を算出したものである。現実の社会調査の標本設計に合わせて,層化に関する要因,層毎の二段抽出に関する要因を共に統計的には相関比によって評価しながら,どのような変数において相関比が大きくなるかを検討した。 結果をまとめると次の点を指摘できる。 1.層化要因として有力なのは,市区町村投票率,自民党得票率の順である、 2.二段抽出に関する相関比(地点の異質性に関する指標)も上記の順に高くなる傾向があり,さらにこうした指標が人口規模の小さい層のほうで大きくなる(異質性が高くなる)傾向がある。 以上のような情報を調査の標本設計に生かすことができるが,1の点の成果に加えて,特に「市区町村投票率」は,特定の目的変数を用意した場合、従来頻繁に用いられる層化変数である人口規模と同程度以上の連関を示す複数の目的変数を見つけることは容易であった。地点変数の情報を付加した階層型データの分析に生かす方法を更に検討することが今後の展開として必要である。
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