2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653064
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柴田 健 弘前大学, 教育学部, 助教授 (50361001)
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Keywords | 発達障害 / EMDR |
Research Abstract |
2カ所の心身障害児通園療育施設に通園する児童を,広汎性発達障害群,精神遅滞群,注意欠陥多動性障害群に分け,療育場面でのEMDRの実施を試みた。また,比較対照のためコントロール群としてEMDRを行わない群を設定した。療育場面におけるEMDRの実施手続は,Tinker&Wilsonによるバタフライ・ハグを基本とし,次のとおりとした。 療育プログラムの中にある親子遊びの終了時に母親が児童を膝に抱え、ゆっくりした音楽に合わせて子どもの両肩を人差し指と中指と薬指で痛みを感じない程度にタッピングを行った(1秒間に2回程度)。約100回のタッピングを終えた後、母親から対象児童に対して数回の深呼吸を行うよう指示がなされた。児童が深呼吸をしている間母親は、「とっても上手だよ。○○ちゃんは良い子だね」等の児童にとって肯定的な内容の言葉を挿入した。 知的発達,社会性の発達の変化を確認するため,EMDR実施前に各群に対して発達検査(K式発達検査2001)と社会生活能力検査(新版S-M社会生活能力検査)を行った。その後も同検査を3ヶ月毎に追跡を行い,現在も追跡を続けている状況である。同時に行動観察を行い,現在に至るまで追跡中である。 これまでの状況では,注意欠陥多動障害群と,精神遅滞群の軽度レベルの児童において発達指数の伸長が示唆されるものの,広汎性発達障害群と精神遅滞群の比較的重度レベルの児童についてはあまり伸長が認められていないことが示唆されている。今後の追跡の中でさらに検証していく予定である。
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