2007 Fiscal Year Annual Research Report
内観療法とフォーカシングの統合的技法(内観フォーカシング)の開発
Project/Area Number |
18653075
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
伊藤 研一 Gakushuin University, 文学部, 教授 (60184652)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 孝雄 文教大学, 人間科学部, 講師 (50364740)
三木 善彦 帝塚山大学, 心理福祉学部, 教授 (40073449)
南風原 朝和 東京大学, 教育学部教授, 教授 (50156246)
|
Keywords | 内観療法 / フォーカシング / 統合的使用 / 内観フォーカシング |
Research Abstract |
伊藤、三木は富山で開催された第30回日本内観学会に参加し、研究協力者である三木潤子の発表を聞いた。集中内観によって顕著な効果が見られた事例報告であったが、その効果は集中内観前後に施行したフォーカシング日常化傾向を測定する質問紙の結果からも裏付けられた。また28名の集中内観経験者の内観前後におけるフォーカシング日常化傾向は「体験過程を大切にする因子」「問題と間をとる因子」「過剰な自己批判の因子」すべてにわたって統計的に有意な変化を示した。すなわち、内観療法がフォーカシング日常化傾向を促進する心理療法であるということが示された。小林は、内観フォーカシングを集中内観後の日常内観(集中内観の後、日常生活の中で行なう内観)として発展させるべく、自分自身が内観フォーカシングを一人で行ない、それを録音し、内観フォーカシングが日常内観としてかなり効果が高い方法であることを示した。12月の研究会では、三木潤子と小林が自身の研究成果を発表した。伊藤は今までの内観フォーカシング研究の経緯を振り返り、記録内観とフォーカシングを組み合わせる方向と内観面接者がフォーカシングを体験することの意味を示唆した。内観研修所の指導者から関心が示され、その方向性も興味深いという議論があった。今後の方向性として内観面接者が内観者を思い描いて行なうフォーカシングの有用性、日常内観を効果的に行なう方法としての有効性があらためて示唆されたと言えよう。
|