2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653081
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壇 一平太 独立行政法人食品総合研究所, 食品物理機能研究室, 研究員 (20399380)
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Keywords | 近赤外線 / 脳画像 / 動物実験 / NIRS |
Research Abstract |
近赤外線分光測定法(NIRS)は異なる波長の近赤外線光に対する酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸収特性の差を利用して脳内のヘモグロビン動態を測定するもので、脳内の局所血流を反映したものだと考えられている。NIRSは他の脳機能測定法と較べて以下の特徴を持つ。しかしながら、NIRS研究はほとんどヒトに限られており、動物実験、とくに行動実験に適応した例はない。つまり、動物行動実験のためのNIRS装置は開発されていない。本研究の目的は動物用NIRSの開発とそれを用いた実験の試みである。そのため、機器製作は研究協力者である金澤恒男(専門:電子工学、光技術)の所属するアルワン電子株式会社との共同作業で行った。アルワン電子は日立の光トポグラフを実質的に開発した企業であり、わが国におけるNIRS関連の技術水準がもっとも高い企業である。初年度は発光部として種波長805nm、外径3mmのLEDを用いる。受光部は浜松ホトニクスのS5821シリーズ(波長感度320-1100nm)を用いた。受光面は1.2mmであるが、受光部保護のためにケースに入っているため外径が大きくなっていた。装置を実際に動物頭蓋に固定し、無麻酔下でのNIRS測定を行った。自由運動時の記録で行ったが、瞬きによる光学的ノイズがあることがわかった。しかし、このノイズはソフト的に除去できることがわかった。しかしながら、記録時の様子を赤外線カメラで撮像したところ、光が脳全体に拡散していることがわかった。したがって、記録したものは脳全体の積分値になっており、局所的変化の記録には光束を収束させ。拡散をふせぐか、赤外線の分光測定ではなく、レーザードップラー効果を用いた測定が必要になる。
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