2006 Fiscal Year Annual Research Report
エンパワメントを促す高校づくりの実践と基盤に関する臨床的研究
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18653092
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊地 栄治 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (10211872)
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Keywords | エンパワメント / 高校教育改革 / ホリスティック / 内発的改革 |
Research Abstract |
本研究では、高校教育改革の「これまで」をふりかえり、先導的な取り組みに学ぶ中で以下の主な知見を得ることができた。 (1)これまでの高校教育改革は、都道府県教育委員会や文部科学省の政策的判断のもとにトップ・ダウンで実施される傾向があった。 (2)大学入試に枠づけられた現在の高校教育の中には内発的な改革の契機を育て得る条件が乏しく、とくに「学力低下」論によって生徒の現実から遊離した改革論にたなびく傾向が促進された。 (3)その中にありながら、生徒の現実についての洞察と教育社会のあり方への反省との重ね合わせの中で醸成された内発的な改革がいくつかの高校で創生されている。たとえば、ある「指導困難校」で導入された日本版デュアルシステムの試みは、地域を巻き込みながらきわめて大きな成果を生み出しつつある。内と外のつながりを再構築する改革実践はもうひとつの物語を創生している。 (4)高校教育改革の鍵は、「内発的な契機」によって創生された改革の萌芽をどのように促し持続可能な取り組みとして支援していくかにある。 これらの知見をふまえて、全国のすべての公立高等学校(分校、定時制課程を含む)を対象とする郵送自記式質問紙調査を実施した(平成19年3月)。質問項目は、(1)エンパワメントの実践、(2)学校の属性と社会的文脈、(3)人的構成と組織構造、(4)運営方針と教育活動実践、等々と多岐にわたる。収集された調査データは次年度に詳細な分析を行い、具体的なエンパワメント事例を発掘・分析する際に活用する予定である。
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