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2007 Fiscal Year Annual Research Report

エンパワメントを促す高校づくりの実践と基盤に関する臨床的研究

Research Project

Project/Area Number 18653092
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

菊地 栄治  Waseda University, 教育・総合科学学術院, 准教授 (10211872)

Keywordsエンパワメント / 高校教育改革 / ホリスティック / 内発的改革
Research Abstract

本研究では、2007年3月に、全日制・定時制課程を設置する全国のすべての公立高等学校4,158校(分校を含む)を対象として、郵送自記式質問紙調査を実施した。回答校数1,003校(回収率=24.1%)、有効回答課程数1,137を数えた。得られたデータの質的・量的な分析からいくつかの知見が導き出された。とくに次の3点が重要である。第一に、各高校階層(「学力」層の上位層から順に「第1層」〜「第V層」)で身につけることを求められる内容は、<差異的な社会化>を反映しているという点である。自律性と従順性(同調性)という価値の分化を高校の社会化が担っているということも重要であるが、いずれの場合であっても、「社会的なるものに」吸収される客体として位置づけられる生徒像が根強く、かつ、個人化された要求にとどまっているという共通性にも注目する必要がある。第二に、有効なエンパワメント防策は、学校の置かれた社会的・地域的文脈あるいは高校が受け入れている生徒層、そして、身につけてもらいたいチカラの中身によって有効性が異なってくるという点である。たとえば、「資格取得」と「参加・体験学習」は「第III層」の「生きる力・自立(律)性・自主性」にプラスに働き、後者はこれに加えて「社会関係力」「コミュニケーション能力」をも高める。昨今の教育改革論議で否定的にみられがちな「総合学習」は、第I・II層の「思考力・想像力・構想力」「社会関係力」を高めるという点重要である。第三に、最もエンパワメントが顕著な高校は、都市部の進学校ではなく、自然環境に恵まれた地域に立地する小規模校であった。この点は、現在のメインストリームの教育改革動向に疑問を投げかける知見として注目される。

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Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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