2007 Fiscal Year Annual Research Report
語りを基盤とした協同的態度の育成を目指すコミュニケーション教育の開発に関する研究
Project/Area Number |
18653102
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
寺井 正憲 Chiba University, 教育学部, 教授 (50272290)
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Keywords | 語り / 協同的態度 / コミュニケーション教育 / ストーリーテリング / 聞き手参加型音読 / コミュニケーション・ワーク |
Research Abstract |
本年度は,語りを基盤とした協同的態度の育成を目指すコミュニケーション教育の開発に関わって,以下の3点のことを行った。 1.学習指導要領の改訂作業に携わるとともに中央教育審議会の動向を検討することによって,新学習指導要領では,コミュニケーション教育に関わって,合意形成するような能力や人間関係を調整するような能力が重視されることが分かった。PISA型読解力を強化することによって,ますます相互作用(interaction)の能力や態度を重要になり,それに応じて一層語りの学習指導が求められることが理解された。 2.協同的態度の育成を中核に据えて,聞き手参加型音読の授業開発に取り組んだ。参加型の語りにおける知見を援用して,詩や物語,絵本などを活用して聞き手参加型音読の授業開発に取り組んだ。その結果,語りで協同的態度が育成されるのと同じように,読み手と聞き手の関係性が上がり,学級の協同性が高まるという実践結果が得られた。実践を行ったのは教師経験が4〜7年程度の若手実践家であるが,実践の効果は顕著に得られ,聞き手参加型音読の学習指導の効果を理解する一助となると見なされる。 3.発表の学習指導について,語りの知見を生かしながら提案を行った。戦略性,機能性,協同性の3点からコミュニケーション教育において現在求められる課題やその解決の方向を示し論じた。特に,協同性を重視しながら,戦略性や機能性を具体化することの重要性を指摘した。
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