2006 Fiscal Year Annual Research Report
音・音楽環境と音楽的イメージの発達との相関に関する国際比較
Project/Area Number |
18653106
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
山下 薫子 (坂田 薫子) 東京芸術大学, 音楽学部, 助教授 (90283324)
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Keywords | 音・音楽環境 / 音楽的イメージ / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究は、音楽の学習主体と音・音楽環境との関わりを動的なものとしてとらえ、国際比較によって、その実態を明らかにしようとするものである。初年度にあたる平成18年度には、主として、(1)現代の日本人を取り巻く音・音楽環境と音楽的イメージの相関に関する予備的な調査、(2)調査結果を理論づける枠組みの検討、(3)国際比較に向けた研究協力者との打ち合わせ、の3点を行った。 (1)の予備的調査からは、音楽学習主体の選択が行われない音・音楽環境では、音楽的イメージの発達が妨げられやすいということが浮き彫りになった。また、ピアノ・レッスンの事例分析を通して、学習主体の音楽的イメージの想起が、様々な要因によって妨げられる様子を描写することができた(Sakata-Yamashita,2006)。 (2)の枠組みの検討では、特に生態学的音楽知覚論の立場に立つ研究の論評を行うなかで、音楽的イメージに関する研究上の課題について指摘した(山下、2006)。 (3)については、9^<th> International Conference on Music Perception and Cognition (University of Bologna, Italy)における様々な方法論に学びながら、同会場において、本研究の先行研究者であり、研究協力者でもあるF.Bailesと、オーストラリアにおける調査の可能性について話し合いをもった。 以上の研究成果に基づき、平成19年度には本格的な調査を展開するとともに、その成果を研究誌上において発表する予定である。
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