2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18654001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 知行 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (30002265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (50168431)
平峰 豊 熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)
|
Keywords | 代数統計 / 分割表 / 一致率検定 / 対称群の表現 / MCMC法 / 系統樹 / 比較言語学 / 鉛同位体比 |
Research Abstract |
(1) 代数統計へめ応用. (a) 有限群論の応用として,分割表の一致率検定のための正確確率法のアルゴリズムと$11_2F_0$型超幾何多項式の積公式を得た.論文がacceptされた(HHJ) (b) フィッシャーの並べ替え検定の置換群論的解釈.対称群上のランダムウォーク(RW)から分割表のRW(生起確率は多項超幾何分布)が誘導されることを示した. (c) 有限群上のRW.周期分布への収束の速さが,指標理論を使って評価できる.例えば,対称群の互換によるデータの入れ換えは,2次元分割表に対する古典的なマルコフ連鎖モンテカル口法(MCMC法)に対応しているが,収束度$(n-3)/(n-1)$はかなり悪い。$(n-1)$サイクルを使うと,収束度は$2/(n^2-3n)$と劇的に速くなる.神戸での代数学シンポジウムなどで発表した. (2) 比較言語学への応用. (a) 言語間の一致率検定の正確な確率計算ができるようになった.これによって0swaltのシフト法,Polya・安本の二項検定法などの検定方式の評価ができる. (b) 一致率検定により,日本語・朝鮮語にオーストロアジア系言語の語彙が入り込んでいることを確認した.最近の東アジア人類集団のDNA分布や長江文明の研究と整合的である. (3) 鉛同位体比の分析.4種類の同位体があるので,鉛は3次元単体の点と考えられる.2つの鉛の混合で得られる鉛は,もとの鉛を結んだ直線上にある.数学的には,超平面配置や離散幾何・計算幾何と関係する.応用として鉛を含む物質(古墳出土鏡)の混合の過程の解明を行った. (4) これらの研究成果は研究集会や,九大,北大(理学部・電子研),日本数学会の一般講演などで発表した.いくつかは論文として投稿中である.
|