2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18654009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 斉 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70192771)
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Keywords | 結び目 / 色付きJones多項式 / 体積予想 / 基本群 / 表現 / 3次元多様体 |
Research Abstract |
結び目の色付きJones多項式の漸近挙動と,結び目の基本群のリー群SL(2,C)への表現との関連を中心に研究を進めた.具体的には,N次元色付きJones多項式のパラメータをexp(c/N)とおき,複素数cが基本群の表現とどのようにかかわるかを調べた.c=2*Pi*Iのときが体積予想であり,色付きJones多項式は指数的に増大し,その増大度が体積を表すと予想されている. 以前横田氏との共同研究で,8の字結び目に関して,cが2*Pi*Iに近いとき,色付きJones多項式の極限から,cによってきまるDehn手術に対応した3次元多様体の体積が得られることがわかった.また,cが小さいときには,(8の字結び目に関しては研究代表者によって,その後一般の場合はGaroufalidis氏とLe氏によって)色付きJones多項式は1/Δ(exp(c))に収束することが知られている.ただし,Δ(t)はAlexander多項式である.これらはそれぞれ,既約表現,アーベル表現に対応すると考えられる. 今年度は,以上の結果にかんがみcがAlexander多項式の零点のlogarithmのとき,色付きJones多項式がどうなるかを調べた.樋上氏との共同研究の結果,8の字結び目とトーラス結び目に関しては,cがAlexander多項式の零点のlogarithm(のうち絶対値が最小のもの)のときは,色付きJones多項式は多項式で発散することがわかった.これは,基本群のアフィン表現に対応すると考えられ上述の2種類の表現をつなぐものとして興味深い.
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Research Products
(9 results)