2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18654018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90234509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 博文 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20177207)
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Keywords | 確率論 / 数理物理 / 熱核評価 / 統計力学 / ランダムウオーク / パーコレーション / 国際研究者交流 / カナダ:アメリカ:イギリス |
Research Abstract |
本年度行った研究により得られた成果は以下の通りである。 1.臨界確率における分枝過程の家系図に対応する樹木を考え、そのincipient infinite cluster上のランダムウオークの熱核に関する詳しい評価を得た。子孫分布がbinomialの場合について、既にBarlow氏との共同研究で得られていた結果を改訂し、雑誌に掲載された。また、子孫分布が一般に有限な二次モーメントを持つ範ちゅうの分枝過程では、2.に述べる結果を援用して、ランダムな樹木の有効抵抗や体積増大度を評価することにより熱核の対角評価を行った。この結果は、藤井氏との共著論文にまとめ、現在proceedingsに投稿中である。 2.次元の高い正方格子上で、臨界確率における向きのついた散開パーコレーションクラスターを考え、そのincipient infinite cluster上のランダムウオークの熱核に関する詳しい評価を得た。この証明は、一般のランダムグラフ上の再帰的なランダムウオークについて、有効抵抗と体積増大度の情報から熱核の評価を導き出すという解析的な評価の部分と、実際にこのモデルで有効抵抗などの評価を行う確率論的評価の部分に分かれる。前者では、これまでにフラクタル上の解析学で培われた技法が応用され、後者では、レース展開と呼ばれる技法が強力に用いられる。この結果は、Barlow氏、Jarai氏、Slade氏との共著論文にまとめ、現在雑誌に投稿中である。
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Research Products
(4 results)