2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルゴリズム的な着想によるg予想の肯定的な解決への挑戦
Project/Area Number |
18654020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比 孝之 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (80181113)
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Keywords | アルゴリズム / 凸多面体の組合せ論 / g予想 / f列 / 巡回凸多面体 / algebraic shifting / conbinatorial shifting / トーリック多様体 |
Research Abstract |
1975年、StanleyによるCohen--Macaulay環の理論を使うた球面版上限予想の肯定的な解決は、凸多面体を巡る組合せ論と可換代数が接点を持つ契機となった。その後、単体的凸多面体のf列に関するg予想は、1980年、Stanleyが必要性を、Billera--Leeが十分性を解決した。必然的に、単体的凸多面体のf列に関するg定理は単体的球面のf列に関するg予想に一般化され、当該分野の最高峰に位置する懸案め予想として君臨している。当該萌芽研究の目的はalgebraic shiftingとcombinatorial shiftingの理論を使い、アルゴリズム数学の観点から、球面版g予想の肯定的な解決に挑戦することにある。平成18年度は、研究代表者が持つ萌芽的な着想を育み、単体的球面Δがあったとき、頂点の番号付けを適当に選ぶと、頂点の個数と次元がΔと同じである巡回凸多面体の境界複体Σについて、包含関係c(Δ)⊂e(Σ)が成立する、を作業仮説とし、研究を展開した。その作業仮説が肯定的であれば、単体的凸多面体のf列に関するg予想の必要性の証明(Stanley)の、トーリック多様体の理論に依存しない純粋な組合せ論的な別証が得られることになるから、当該萌芽研究の顕著な研究成果の一つとなる。その具体的な戦略の一つとして、単体的球面Δを一つ固定するとき、そのcombinatorial shiftingの全体に何らかの順序を導入し、一つのcombinatorial shiftingから出発し、順次、性質の改善されたcombinatorial shiftingを探索し、最終的には、包含関係c(Δ)⊂e(Σ)を満たすcombinatorial shiftingに辿り着くためのアルゴリズムの開発を目標とし、研究を推進し、部分的な成果を得た。
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Research Products
(2 results)