2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルゴリズム的な着想によるg予想の肯定的な解決への挑戦
Project/Area Number |
18654020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比 孝之 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80181113)
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Keywords | g 予想 / 単体的球面 / algebraic shifting / f 列 / 有限順序集合 / Gorenstein 複体 / linear resolution / combinatorial shifting |
Research Abstract |
平成19年度は、単体的球面の三角形分割のf列の議論に関連する研究として、(1)線形分解(linear resolution)を持つ単体的球体のBetti数列を議論し、そのような球体の境界である単体的球面のStanley-Reisnerイデアルが重複度予想を満たすことを証明するとともに、(2)単体的球体のf列の特徴付けに関する具象的な研究を推進させた。 前者では、線形分解を持つ単体的球体の境界複体の有限自由分解の構造を詳細に議論し、その結果として、その境界である単体的球面のStanley-ReisnerイデアルのBetti数列に関する組合せ論的な情報が得られ、そのイデアルが重複度予想を満たすことを証明することに成功した。当該研究は、平成19年6月に遂行され、その成果を発表するための研究論文は平成19年11月にJournal of Algebraにacceptされた。しかし、平成19年12月、Cohen-Macaulayイデアルに関する重複度予想は全く一般的に解決され、残念ながら、我々の研究成果は水の泡となった。 次に、後者の研究成果の概要を記載する。一般に、有限M列があったとき、それは適当な次元の単体的球体(いわゆるBillera-Lee多面体)のh列となることが既知であるが、我々は、そのような単体的球体の次元の下限を、そのM列の言葉で記述する問題を重要な研究課題と位置付け、その問題に挑戦する足場を築く努力をした。実際、その問題を解決することができるならば、原理的には単体的球体のf列の特徴付けが得られたことになり、すると、(球面は球体の境界であるから)単体的球面のf列の特徴付けが得られたことになる。手始めに、巡回凸多面体のh列の部分列を考察の対象とし、そのようなM列については、次元の下限を具体的に記述することに成功した。
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Research Products
(4 results)