2007 Fiscal Year Annual Research Report
爆発・成長現象のダイナミクスを明らかにする数値計算手法の開発と応用
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18654023
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 仁司 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80203298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 秀雄 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (80274265)
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Keywords | 非有界 / 成長 / 熱伝導方程式 / 接続 / 非存在 / 爆発 / 大域的 |
Research Abstract |
非線形偏微分方程式のなかには、有限の時刻で解の値が無限大となるような爆発解や時刻無限大まで存在する大域解を持つものがある。このような方程式の理論解析は極めて困難で、数値計算であっても解の値もしくは解の存在時刻が無限大であるためその適用は極めて困難となる。 本研究では、このような解析に有効な数値的判定法を開発した。数値的判定は次のように行う。時間に関して以前我々が開発した有界化を適用して、[0、∞)の無限区間を[0、1)の有限区間に変換する。この変換された問題を、空間変数を差分法で時間変数を陽的オイラー法で離散化して、粗い数値計算を行う。この粗い計算時に、1未満の明らかなる時刻で解の数値がオーバーフローすれば爆発解がとらえられたことになる。時刻1まで数値計算できた場合は、時刻1の非常にそばで(元時間では長大な時間が経過した後に)爆発する解や成長もしくは有界な大域解を区別する精査を行う。精査は時空間スペクトル選点法で行う。スペクトル選点法は陰解法であるために、得られる離散化方程式は非線形になる。この非線形方程式をニュートン法で解く。このニュートン法が収束して数値解が収束すれば、有界あるいは減少する大域解が存在する。ニュートン法が収束しなければ、計算領域内に特異性が存在しているので、爆発解あるいは成長する大域解が存在することになる。これらの分類は、爆発時刻を精査するか、解に関する有界化をさらに施すことで行う。ニュートン法が収束しない場合には解の情報が全く得られないので、この致命的欠点を克服するために変数を複素数に拡張した複素ニュートン法の適用する。 本研究で開発した数値的判定法を最も有名な空間1次元の非線形熱伝導方程式に適用して、数値実験によってその有効性を検証した。開発した手法は一般の偏微分方程式に適用可能である。
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Research Products
(23 results)