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2008 Fiscal Year Annual Research Report

群の表現から見たボーズ凝縮の萌芽研究

Research Project

Project/Area Number 18654029
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

松井 卓  Kyushu University, 数理学研究院, 教授 (50199733)

Keywords関数解析 / 無限自由度 / ボーズ粒子系 / 量子統計力学
Research Abstract

今年度の研究は当初の予定から大きく外れ格子上の量子力学系のハーグ双対性をめぐる研究が主体となった。格子上を動くボーズ粒子系は、これまで生成消滅作用素の指数関数から定まるワイルCCR代数を使って統計力学を考える場合が多かった。しかしこれでは有限自由度の場合でもハミルトニアンのレゾルベントがワイルCCR代数の元ではないので統計力学的な問題を研究するには様々な困難がある。Buchholz等はワイルCCR代数の代わりに生成消滅作用素のレゾルベントが生成する代数を考える事を提案したが、この路線でいくつか基本的な事項を証明することを検討した。
その手始めとして前年度研究した純粋状態のハーグ双対性とSplit性の研究を行う予定であった。量子スピン系の並進不変純粋状態のハーグ双対性の証明は既に雑誌に発表したが、最近、その証明に一部不十分な点があるのが判明し証明の修正を試みている。局所性を持つ相対論的場の量子論では、その公理からReeh-Schliederの定理が成立する。Jones-Wassermannのループ群から生成される部分因子環の研究では、Reeh-Schliederの定理から基底状態セクターでのハーグ双対性の証明が行われたのであるが一次元量子スピン系の場合にもReeh-Schlieder型の定理を仮定すればハーグ双対性は証明できることが判明した。格子の次元が高い場合に半空間の間でのハーグ双対性の証明は、クンツ代数の拡張としてUHF代数の片側シフトによる接合積を用いるとReeh-Schlieder定理が成立すればハーグ双対性が成立することも証明できる。
ハーグの双対性が分かると2点相関関数の一様減衰が状態のSplit性を意味することも分かった。
ボーズ粒子系のレゾルベント代数の場合のハーグ双対性については、まだ成果を得ていない。

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Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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