2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18654034
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
新田 貴士 三重大学, 教育学部, 教授 (20202244)
|
Keywords | 無限大数、無限小数 / 経路積分 / 調和振動子 / シュレデンガー方程式 / 熱方程式 / 経済学 / 無限期間総和 / 最適化 |
Research Abstract |
本課題の大きな目的として無限大数や無限少数を有効に用いて様々の解析に応用するということがある。 題材としてまず経路積分をとった。航路積分の無限大数や無限少数を用いた表現としてはLooの方法がある。Looの表現は調和振動子の基本解を空間、および時間を無限小格子で直線近似することで得られている。そのときの時間を複素化してLooと同様の計算をすると、収束が確かめられ、時間が実数のときは、シュレデンガー方程式の基本解に対応し、時間が虚数の時には熱方程式の基本解に対応する。そのふたつの間がうまく繋げることがわかった。 無限大数を用いた応用の一つとして、経済で1920年代から問題となっていることがある。Tを期とし,c(t),k(t)をt期の消費、t期の資本、f(k)を資本kに対応する技術によって産まれる生産とする。U(c)を消費cに対する満足度とすると0期から無限大期までの満足度の総和はU(0)+U(1)+U(2)+【triple bond】となる。ところが一般にはその期間が無限大のため総和wは無限大となるので、このままでは最適化問題を解けない。そのためaと正の数としてexp(a0)U(0)+exp(-a1)U(1)+exp(-a3)U(2)+【triple bond】と変形して最適化問題を解くことが提案され、経済学の中ではその負の重みに対する解釈が様々になされてきて、一般に用いられて来た。ところが最近の地球温暖化問題や京都議定書にあるように地球を永遠に保つことに人類の関心が移ってくると、上のように未来に負の付加をかけて和をとり最適化問題を解くことの正当性が議論されるようになって来た。そのような議論は初期の頃1920年代にはすでに、数学基礎論、経済学でRamseyが厳しく行っていたが主流にはならなかった。ところが我々の計算では無限大期を具体的にとることで負の付加をかけずに総和を取り最適解を見つけられた。更にその得られた解が実数の世界でも真に最適かどうかのための条件を見つけることができた。その条件を3つのかたちでまとめあげた。
|