2008 Fiscal Year Annual Research Report
晩期星周・原始惑星系円盤ガス中での珪酸塩-金属間の界面エネルギー
Project/Area Number |
18654037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橘 省吾 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (50361564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永原 裕子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80172550)
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Keywords | 光学・赤外線天文学 / 宇宙科学 / 界面エネルギー / 珪酸塩 / 金属鉄 |
Research Abstract |
本研究計画画では,金属鉄の表面エネルギーへの雰囲気ガスによる影響により,形成される珪酸-金属鉄組織に違いが生まれるという仮説を立て,金属鉄表面エネルギーおよび金属鉄-珪酸塩(フォルステライト)間の界面エネルギーの雰囲気ガス(S,0,Nなど)依存性の決定をおこない,金属鉄が単独で核形成する環境,または先に凝縮したフォルステライトを核として低過飽和度でも金属鉄が成長する環境を決定する温度・圧力・ガス組成の条件を決定することを目的とする.昨年度に引き続き,太陽系元素組成を持つ原始惑星系円盤での金属鉄の平衡凝縮温度に近い1265Kでの凝縮実験をおこなった結果,過飽和比が4でもコランダム基盤上に金属鉄が不均一核形成することがわかった.昨年度は過飽和比10以下という結果を得るにとどまっていたので,定量値が求められたのは意義がある.金属基盤上への珪酸塩凝縮の実験では,昨年度おこなった炭素カプセルが還元的雰囲気をつくることがわかったため,イリジウムルツボを用いて,改めて実験をおこなったところ,低圧条件下での珪酸塩の金属基盤への凝縮は反応速度論的制約から困難であるという昨年度に得られた結果とは本質的に変わらない結果を得た.また,酸化物の凝縮効果を見るために金属基板上でのコランダム凝縮実験もおこない,過飽和比に応じて,異なる成長形を示すことがわかった.これらの実験結果は2008年7月に松江市でおこなわれたMeteoritical Society Meetingや2009年3月にヒューストンでおこなわれたLunar and Planetary Science Conferenceなどで発表した.
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