2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18654042
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
長谷川 庸司 Shinshu University, 理学部, 准教授 (70324225)
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Keywords | 粒子測定技術 / カーボンナノチューブ / ナノインプリント |
Research Abstract |
カソード面(ナノガーボン面)に形成する微小突起に直径50μmの金メッキタングステンワイヤを用いて放射線検出器を作成し,性能評価を行った。印加電圧は,突起がない典型的なResistive Plate Chamberの場合(約8kV)と比べて,約半分(約4kV)で信号が出ることが分かった。また,通常の多線式比例係数箱と比較では,ワイヤ周辺の電場が同じになるように印加電圧を設定した場合,やや電荷量の小さい出力信号が得られた。これは、定性的には,ガス増幅が起こる領域が約半分になるためであると説明できるが,定量的な説明を計算機シミュレーションによる検証を行っている。 カーボン面に微小突起を作成する技術として,ナノインプリントと呼ばれる「印刷」技術を利用できることが分かった。微小突起を「印刷」するための型を作成する具体的な技術としては,半導体の研磨・切削方法であるダイシングの方法が適用できることが,信州大学超精密技術研究センターとの議論で分かった。ダイシングでは直線的な加工になるので,微小突起の形状は,三角畝型,四角錐型,三角錐型などが製作可能である。これらの形状に対して,印加電圧と形成される電場を計算機を用いたシミュレーション,十分なガス増幅を得るのに必要な印加電圧と,微小突起の形状のパラメータ(サイズ、ピッチなど)を調べた。これらの研究結果を基に,信州大学超精密技術研究センターの仲介で企業に実際の製作を依頼する予定である。
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