2006 Fiscal Year Annual Research Report
光照射による圧縮増幅の原理に関する検証実験用光共振器の開発
Project/Area Number |
18654046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹尾 登 京都大学, 理学研究科, 教授 (10115850)
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Keywords | 光共振器 / レーザー光圧縮 |
Research Abstract |
本研究の目的は吉村らにより提唱された「光照射による圧縮増幅の原理」を実証するため、ファブリ・ペロー型光共振器を開発し、もって上記原理の検証実験を推進することにある。光照射による「縮増幅の原理」最近吉村らにより発見・提唱された全く新しい原理である。エネルギー密度の高いレーザ光を物質に照射したとする。この時レーザ光の波長を原子準位間隔に正確に一致させると、電子は常に二準位間を往復する一種の共鳴現象を起こす。一方、電子と原子核の間の相互作用を考えると、電子雲が周期的に圧縮と膨張を繰り返すため、電子と核の波動関数の重なり、即ち相互作用行列要素が飛躍的に増大し、プロセスが加速・促進されると言う訳である。本研究では原理検証実験に最適な光共振器の設計製作を行い、原理検証実験を推進する。本研究では、レプトン非保存過程や陽子崩壊過程を直接の目的とはせず、原理検証実験を実行することを念頭にして、それに必要な光共振器の開発を行うが、以下にその基本戦略を説明する。まず電子と核を含む基礎過程としては、実験的にも理論的にも良く理解されている電子捕獲過程を用いる。またその標的原子Xとしてはアルカリ金属である22Naまたは83Rbのうちのいずれかを用いる。パワーが大きく線幅の小さいレーザが望ましいが、現実にはパワーが大きいレーザは多くのモードを含むため線幅も大きい。一方光共振器は、線幅の狭いレーザ程そのパワー増大率は大きい。本年度に於いては、光共振器の実験に適した光共振器の設計を行った。また基本性能の実験的検証を促進するためにダイオードレーザーを設計し製作した。
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