2006 Fiscal Year Annual Research Report
有限温度量子スピン系用計算機(ハイゼンベルク・マシーン)の開発
Project/Area Number |
18654068
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
飯高 敏晃 独立行政法人理化学研究所, 戎崎計算宇宙物理研究室, 先任研究員 (60212700)
|
Keywords | 量子計算機 / 量子ズピン系 / クラスレート / 分子性結晶 / 分子磁石 / GPU / エンタングルメント / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本研究では、フォンノイマン型計算機の次に実現すべき量子計算機の構成要素として金属内包クラスレートと分子性磁性結晶に着目し、第一原理計算による材料設計および有限温度下における量子スピン系シミュレーションのための計算機「ハイゼンベルクマシーン」の製作を目的とし、本年度以下のような成果を挙げた。まず、時間依存シュレーディンガー方程式、チェビシェフ多項式展開、ランダムベクトルを活用して我々が開発した高速アルゴリズム「射影法」(T.Iitaka and T.Ebisuzaki, Phys.Rev.Lett.90,047203(2003))をGPU(Graphic Processing Unit)にCg言語を用いて実装し従来のCPUによる計算の約7倍の計算性能を得てスピン系のThermal Entanglementの計算に応用した(飯高ら、日本物理学会2006年秋季大会)。また、位相のずれがスピン鎖中を伝播する量子情報に対して及ぼす影響を明らかにした(Maruyama et al.,Phys.Rev.A75,012325(2007))。さらにスピンを埋め込む実際の材料物質として半導体クラスレート化合物に注目し、その物性を第一原理電子状態計算により明らかにした(T.Iitaka, Phys.Rev.B75,012106(2007);L.Yang et al.,Phys.Rev.B74,245209(2006);J.S.Tse et al.,Europhys. Lett.75,153(2006);J.S.Tse et al.,Phys.Rev.B73,212301(2006))。
|
Research Products
(5 results)