2006 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリック蛍光対を用いた、2光子干渉における光子のアンチバンチングの実現
Project/Area Number |
18654069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 繁樹 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80321959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
藤原 英樹 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (10374670)
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Keywords | 応用光学 / 量子光学 / 量子コンピュータ |
Research Abstract |
本研究では、パラメトリック蛍光対の一方に位相分散を付与することにより、それら2つの光子の2光子干渉を制御、アンチバンチング現象の実現をめざしている。 平成18年度は、パラメトリック蛍光対に任意の位相分散を付与するための光学回路を設計、製作した。本光学回路は、2つの回折格子間に、液晶の空間位相変調器を設置した構成になっている。単一モード光ファイバーから射出された光子は、第一の回折格子でその周波数成分に分解されたのち、レンズで平行化され、空間位相変調器に入射される。空間位相変調器では、数マイクロメートルの精度で各位置ごとの位相(光路長)を変化させることが可能であり、結果として単一光子の各周波数成分ごとに位相変調を行うことができる。その変調パターンは、コンピュータによって任意に設定可能である。その変調を受けた光子は、再度レンズで集光された後、回折格子に入射することで、各波長成分を再び単一の空間モードへと集約、出力側の単一モード光ファイバへと入射される。このようにして、光子の波長成分ごとに任意の位相を付与することが可能である。その位相成分が変調された光の干渉実験により、実際に位相変調が付与されていることも確認した。 また、平成18年度は、本提案の元になった理論研究が論文として出版され(Phys.Rev.A)、また関連論文としてパラメトリック蛍光対の周波数・空間拡がりに関する理論研究、および多光子状態間干渉に関する研究をおこない、発表した。 平成19年度は、この位相変調光学回路を利用し、パラメトリック蛍光対の一方に位相分散を付与した状況での、2光子干渉について引き続き研究を進める予定である。
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