2007 Fiscal Year Annual Research Report
親銅元素の安定同位体比を用いる島弧下物質循環の研究
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18654097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野津 憲治 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (80101103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10251612)
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Keywords | 銅同位体比(65Cu / 63Cu) / 安定同位体化 / 質量分析 / LA-MC-ICP-MS / 伊豆小笠原弧 / 島弧火山岩 / 硫化物鉱物 / 同位体分別効果 |
Research Abstract |
本研究では、従来高精度の同位体比が測定できなかったCuについて、新しい分析方法を改善して0.01‰のオーダーの極めてわずかな同位体比変動が検出できるようにし、その同位体比変動から島弧下での物質循環を明らかにしようとした。火山岩試料は、HF-HC104-HN03で分解した溶液から陰イオン交換法を組み合わせてCuを分離し、MC-ICP-MSでCuの同位体比を精密に測定する方法を確立した。火山岩中に含まれる10-100ミクロン程度の硫化物鉱物については、新たに導入したフェムトレーザーを既設のMC-ICP-MSに接続して分析法の確立を図った。その結果、レーザー照射による同位体分別が、分析試料の組成によって異なることが明らかになり、Cu鉱物の主成分の違いに応じて標準物質を使うと、きわめて精度、確度のよい測定ができることを確立した。 伊豆小笠原島弧は島弧の中でもCu濃度が高い火山岩が噴出し、沈み込むスラブからのCuの寄与が示唆されている。このようなマグマの成因をCu同位体から探るため、火山岩や、火山岩に含まれている微小Cu鉱物について、本研究で確立した方法で分析を行った。現在得られている予備的な結果からは、火山岩試料はすべてがMORBやOIBで代表されるマントルのCu同位体比の範囲内に入っており、島弧に直行する方向での変化は認められなかった。スラブから供給されたCuは沈み込むプレートの表面を構成する(海水変質火山岩に含まれる)海水成分や海洋性堆積物成分ではなく、スラブ内部に存在するCuである可能性が高い。現在、八丈島や三宅島の火山岩に産する微小Cu鉱物のLA-MC-ICP-MS分析を行っており、それらの起源を島弧過程の枠組みの中で検討する。
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Research Products
(5 results)