2007 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒パルスの自己収束効果が誘起する蛋白質の結晶核の生成
Project/Area Number |
18655007
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中島 信昭 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (00106163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八ツ橋 知幸 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70305613)
宮原 郁子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40271176)
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Keywords | タンパク質結晶化 / フェムト秒パルス / イオン化 / 尿素 / リゾチーム |
Research Abstract |
タンパク質結晶化の光学系の構築と照射実験: 照射系は昨年度内でほぽ完成し、今年度は勢力的に照射実験を行った。確かにリゾチーム、尿素の系ではフェムト秒レーザーにより結晶化の促進を観測することができた。結晶化の機構としてはフェムト秒パルスの自己収束度、有機分子がイオン化、従って、集光点において、イオンが生成していることは確実であると思われた。しかし、結果にばらつきがあり、レーザー照射条件を絞り込むことができていない。条件を絞り込む実験が必要である。イオン化の機構を明確にするため、関連実験として、気相、表面、液相におけるイオン化の実験もすすめた。これらに関した成果については一部を論文リストに載せた。 リゾチームを昨年度に引き続き試料とし、特にレーザー照射パルスエネルギーをパラメーターとして実験を行った。ニワトリ卵白リゾチーム50mg/μLリザーバー塩化ナトリウム0.48M(一週間で結晶が出ないような閾塩濃度)pH4.8酢酸ナトリウム緩衝液0.10Mサンプルを作成して熟成3日後にレーザー照射、波長:800nm、パルス幅:45fs、照射パルス数:1000パルス、照射して3日後、6日後、10日後に顕微鏡で観察した。パルスエネルギーは0.8nJから552nJまで12段階に分けて行った。結晶化促進が観測された照射エネルギーは221、45nJの場合に明確であった。221nJの照射レーザーで、集光強度は1.6×10^<12>Wcm^<-2>と評価した。確かにこの条件では溶液中でイオン化が起きてもよい強度である。 尿素の水溶液で結晶化の実験を試みた。尿素の濃度は12Mであった。この場合8.2μJの照射エネルギーが媒体のブレイクダウンの閾値であった。尿素結晶の生成は溶媒のブレイクダウンに起因する衝撃波、バブル生成であると思われた。
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Research Products
(3 results)