2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18655015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (30171953)
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Keywords | イソシアニド / アセタール / ケタール / ルイス酸 / ブレンステッド酸 |
Research Abstract |
アセタールとイソシアニドを反応させるとアセタール炭素-酸素間に1分子のイソシアニドが挿入したα-アルコキシエステル誘導体が高収率で生成することを見出した。触媒としてはルイス酸だけではなく、ブレンステッド酸も活性を示したが、トリフルオロスルホン酸がもっとも高い触媒活性を示した。イソシアニドとしては、2位と6位に臭素を持つ2,6-プロモフェニルイソシアニドがもっとも効率的であった。2,6-キシリルイソシアニドでも反応は進行するが、イソシアニドが2分子挿入した生成物も得られた。2,6-イソプロピルイソシアニドでは2分子挿入生成物が主生成物として得られる。様々な構造をもつイソシアニドの検討から、挿入反応には、芳香族イソシアニドでかつ電子求引性と立体障害の両方が必要であることがわかった。本反応は、広い範囲のアセタールやケタールに適用できる。脂肪族のアセタールやケタールだけでなく、芳香族アセタールやケタールも用いることができる。さらに、THPエーテルやTHFエーテルにも適用できる。さらには、N,O-アセタールにも展開できることがわかった。官能基許容性も高く、チオフェン環、インドール環、エステル、シアノ、さらにはニトロ基があっても対応する生成物を与えることがわかった。アルデヒドからアセタール化、イシシアニドの挿入、加水分解をワンポットで行うこともでき、アルデヒドからα-アルコキシエステルを合成することができる。塩化ガリウムを触媒に用いるとチオアセタールにも適用できるこがわかった。
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