2006 Fiscal Year Annual Research Report
環化重合法を用いた刺激応答性カテナンポリマーの創製
Project/Area Number |
18655042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
覚知 豊次 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (80113538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (80291235)
鳴海 敦 北海道大学, 大学院工学研究科, 学術研究員 (60443975)
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Keywords | ロタキサン / カテナン / 環化重合 / ポリアセチレン / クラウンエーテル / 刺激応答性材料 / シャトリング / ホスト・ゲスト相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、軸分子の存在下、ジアセチレンモノマーの環化重合を行うことで、重合およびロタキサン合成を同時に達成する新規ロタキサンポリマーの合成法を開発することを目的とした。両末端にアダマンチル基および中心に二級アンモニウム基を有する軸分子1を新規に設計、合成した。次に、1の存在下、オキシエチレン鎖を有するジアセチレンモノマー2の環化重合を行った。重合は触媒にロジウム(I)錯体を用い、CHCl_3中、5℃で3日間行った([M]=0.1M;[M]/[I]=100;[1]/[2]=8)。重合停止後、再沈および分取SECにより低分子量体を除去し、黄色のポリマー3を得た。3の^1H NMRスペクトルにおいて、ポリアセチレン主鎖およびオキシエチレン鎖に由来するシグナルに加えて軸分子中のアダマンチル基に由来するシグナルが観察された。また、3のIRスペクトルにおいても1730cm^<-1>付近に軸分子中のエステル基に由来する明瞭な喫糾又が観察された。これらの結果より、得られたポリマーがロタキサン構造を形成していることが示唆された。 さらに、重合温度やモノマー濃度などの重合条件を変えて同様の検討を行った結果、温度が低いほど、また濃度が高いはどロタキサン形成率、すなわち軸分子の導入率が高くなることが明らかとなった。以上の結果より、環化重合の系内に軸分子を添加することで、簡便にロタキサンポリマーを合成できることが明らかとなった。本合成法は、これまでのロタキサンポリマーの合成において個別に行っていたロタキサン構造の構築と重合とを一段階で達成することが可能な、新規かつ大変重要な合成法である。
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