2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18655045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇山 浩 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70203594)
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Keywords | 形状記憶樹脂 / 植物油脂 / エポキシ化大豆油 / ポリカプロラクトン / 熱可塑性ポリマー / 再生可能資源 |
Research Abstract |
我々はネットワークポリマー中への相転移を有するポリマーの分子レベルでの複合化により相転移ポリマーを固定化することで形状記憶機能を発現させる、という形状記憶ポリマーの新しい分子設計を提案した。既存の記憶ポリマーはスイッチ部とハード部を一つのポリマーで担う必要があるためにポリマー合成が煩雑になり、機能の制御が容易ではなかった。一方、我々が提案する新手法は熱可塑性ポリマー存在下にネットワークポリマー前駆体の重合・硬化を行うという極めて簡便な方法である。すなわち、既存の熱可塑性ポリマーと熱硬化性樹脂を組み合わせるだけである。更にポリマーの物性や形状記憶機能を熱可塑性ポリマーとネットワークポリマーの無限の組み合わせから自在に選択することができるため、既存の形状記憶ポリマーでは達成できなかった新しい用途への展開も可能である。 今年度は既存の代表的なエポキシ樹脂であるビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いて、形状記憶樹脂を開発した。ポリカプロラクトン存在下にビスフェノールAジグリシジルエーテルを硬化させた複合材料は形状記憶特性を示した。ビスフェノールAジグリシジルエーテルの硬化物は昨年度検討したエポキシ化大豆油(ESO)硬化ポリマーより硬く曲がりにくい性質を示すが、用途に応じて、材料の硬さはビスフェノールAジグリシジルエーテルとESOの共重合により調整可能である。今年度の結果から、軟質系ESO硬化ポリマー、硬質系ビスフェノールAジグリシジルエーテル硬化ポリマーのいずれからも形状記憶ポリマーが得られたことは、用途に合わせた基本物性のチューニングも容易に可能となることを示唆する。
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Research Products
(6 results)